知っているようで意外と知らない結婚祝の贈り方。それには古来、礼儀として伝わる日本の伝統的なマナーがあります。しっかり基本ポイントをおさえて、晴れの門出を祝いましょう。
結婚祝は品物で贈るのを基本とし、大安や先勝といった日を選んで午前中にご自宅に届けるのが本来でした。しかし結婚祝についての風習や贈るタイミングなどは昔と随分変わりました。結婚の知らせや披露宴の招待状を受けとって、挙式の1~2カ月前から遅くても1週間前までに送り届けることが今では一般的とされています。
もし、お祝いの品を挙式当日までに贈ることが間に合わない場合は、後日送り届けるようにします。もちろん、事前にお断りしておきとより丁寧ですね。送る品には一言祝福のメッセージを添えて贈るとよいでしょう。
結婚式や披露宴当日、会場に持参することは、祝いの気持ちにかかわらず、かえってご両人にとって手間をとらせることがあります。披露宴に招かれているか否かは関係なく、ご自宅に届けるか、送ることが基本です。
基本的にはお祝いの気持ちが添えてあればきっと何でも喜ばれるはず……それはそうですが、やはり、人生の門出を祝う贈り物です。送る相手がどのような関係なのか、女性か男性かなどによっても選ぶべき品、喜ばれる品が変わってきます。
一般的には、新しい新生活を2人でスタートするための、日常生活で使える実用的な品を選ぶのが喜ばれます。しかし実用的とはいえ、お祝いの品には避けたいアイテムもありますので少し注意が必要です。
たとえば、かつてガラスや陶磁器は「割れる」「壊れる」という縁起が悪いイメージ、はさみ・包丁・ナイフは「縁を切る」といって忌み嫌われていました。
が、昨今では、逆に「割れることで幸せが増える」「縁を切り開く」「幸せを切り開く」などというポジティブな解釈で、祝いの品として使われるようになってきました。もちろん、地域や年代にもより、風習や慣習、マナーを重んじる方に送る場合には気をつけたい品です。非常識ととられる可能性もあるので、いくら実用的だとはいえある程度の配慮が必要です。
また、すでに新郎新婦が購入してしまっている、また購入予定のものと重ならないように事前に確認することも大事。もし直接聞けないような相手の場合には、いくらあっても困らないものがよしとされています。
友人の結婚祝を、個人として品物でする場合、価格は1万から2万円が相場です。
自身の結婚式にその友人が出席してくれた場合には、その友人からのご祝儀やお祝いの品物を目安に考えてみるのも一つの方法です。もしも、その友人が親族だけのシンプルな式で入籍だけしたような場合にも、同様に考えるとよいでしょう。
披露宴に出席する場合で、ご祝儀に加えてお祝いの品を用意することも考えられます。その場合にはご祝儀の分もありますので、気持ち程度の額で、あまり相手に気を使わせないようにしましょう。あまり高価なものを贈ってしまうと、後で「内祝」を贈り返さなければならないなどと余分な負担をかけるからです。
披露宴に出席する友人同士が連名でプレゼントする場合にも、同様の配慮をしておけば、きっと喜んでもらえます。
結婚式に参加する、しないにかかわらず、お祝いの品は式の1週間前までぐらいに届けるか、送るようにします。ただし、送る品物の金額は相手に気を使わせない程度に配慮が必要です。
もし、参列しない友人が数名いるのであれば、一緒に連名でご祝儀にすることもいいでしょう。
心のこもったお祝いを贈れば、ご当人たちも喜んでくれることでしょう。この場合も、式に参列できなかった分、一言祝福の気持ちを書き添えて贈ってあげるといいですね。