乾杯の音頭は、上司や恩師など主賓クラスのゲストが行うことが一般的です。近年では友人中心に開く披露宴も多いので、その場合は友人代表が行うことになるでしょう。乾杯のときは全員起立し、グラスを持った状態で乾杯の音頭を待ちます。そのため、乾杯の音頭では、手短に挨拶をまとめるのが鉄則です。
今回は乾杯の音頭を頼まれたとき、挨拶をどのようにまとめればよいのか、順を追ってご紹介します。
司会者から紹介されたら、落ち着いてマイクの前に進み出ます。
とにかく簡潔にまとめるのが乾杯の音頭ですが、最初に少しだけ自己紹介の意味を込めて、新郎新婦との関係を一言、二言で表しましょう。
「ただいまご指名をいただきました、新郎の友人〇〇と申します」。
「ただいまご紹介にあずかりました、〇〇でございます。新郎の〇〇君と同じ△△株式会社に勤めております」。
親族中心の披露宴を開くときは、特に自己紹介をせず、名乗るだけでもOKです。
「ただいまご紹介いただきました〇〇です」。
続いて結婚を祝福する言葉を述べます。新郎新婦と両家のご家族へ向けてのお祝いや、招待していただいたことへの感謝の気持ちを込めると良いでしょう。
「新郎新婦、ならびにご両家の皆様、本日は誠におめでとうございます。このようなおめでたいご結婚のお席にお招きいただき、心より感謝申し上げます」。
「〇〇君、●●さん、ご結婚おめでとうございます。ご両家の皆さま方にも、心からお祝いを申し上げます」。
上記の例は無難な挨拶ですが、お祝いの言葉に合わせて、新郎新婦へのメッセージを手短にまとめても構いません。
「御結婚おめでとうございます。〇〇君がわが社に入社したのが5年前のことです。頼もしく働いてくれていて評判もよく、上司として鼻が高い自慢の部下であります。そんな〇〇君の晴れの日をご一緒させていただけることを、心より嬉しく思っております」。
ここで、乾杯の音頭、という大役を引き受けることに対し、他の目上の方に配慮しつつ、定番の「僭越(せんえつ)ながら…」という言葉を効果的に使いましょう。
「はなはだ僭越ながら、ご指名をいただきましたので、乾杯の音頭をとらせていただきます」。
「僭越とは存じますが、乾杯の音頭を務めさせていただきます」。
僭越という言葉をあえて使わなくても構いませんが、一言、目上の方に対する配慮を言葉に盛り込むと良いですね。
「私のような若輩者がご指名を賜り、大変恐縮しておりますが、乾杯の音頭を取らせていただきます」。
新郎新婦とのエピソードや、結婚生活へのエールを盛り込みます。ここで話が長くなりがちなので、手短にまとめることを意識しましょう。とにかく簡潔にしたいときは、省略しても構いません。
「二人は社内でも仕事ができると評判で人柄もよく、理想のカップルと噂されているほどでした」。
「結婚生活にはさまざまなことが付きものですが、お二人ならきっと、どのような困難も乗り越えられると信じています」。
「幸せそうなお二人の笑顔を拝見し、私も温かな気持ちになっている次第です」。
乾杯をうながす一言に続けて、「乾杯」の掛け声を行います。明るく元気な声で発声しましょう!
「それでは、〇〇君と●●さんの輝かしい未来を祈念いたしまして、乾杯をしたいと思います。皆様、ご唱和をお願いいたします。乾杯!」。
「それではみなさま、お二人の末永いお幸せと、ご両家の益々のご繁栄、また、本日ご臨席の皆様のご多幸、ご健勝も祈念し、乾杯の音頭を取らせていただきます。乾杯!」。
「新郎新婦の新しい門出と、ご両家の益々のご繁栄を祈願して、皆さまで乾杯いたしたいと思います。乾杯!」
乾杯の音頭を頼まれる、ということは、それだけ新郎新婦からの信頼が厚い、ということです。せっかくの機会なので快く引き受けて、失敗なく大役を果たしたいですね。しっかり練習をして、当日に備えましょう!