結婚の事前準備の中でも重要な位置を占めているのが、「結納」と「顔合わせ」です。結婚する当事者二人だけでなく、家族の考え方や地方によって異なる風習などがあるため、事前にしっかりとした下調べを行って、双方の意見をすり合わせる必要があります。
最近では省略されることも多くなった「結納」ですが、実施にする際にはそれぞれの地方の風習・習慣が異なっていることに注意が必要です。代表的なスタイルとしては関東式・関西式の二つの方式が知られています。
関東では、男女双方が結納品を用意し、当日に交換するしきたりとなっています。男性側からの結納金を女性側が半返しするというのが基本です。関西では女性側で結納品を用意することはなく、受書のみのやりとりとなります。結納金の返礼は後日、現金で1割程度が普通です。
また、関東式・関西式のどちらにもあてはまらない習慣を持つ地方も多く、九州・四国地方はそれぞれ結納に力を入れる傾向がみられます。結婚式を派手に祝う習慣のある東海地方においては、結納の儀式も同様に豪華な支度をすることが多いようです。
大きく分けた地方性だけでなく、地域的なローカルルールや家毎の伝統などが決められているケースもあるため、それぞれの事情と習慣、親の意向などを踏まえた上で、どのような形式で結納を執り行うかを決定するのが良いでしょう。
結納や顔合わせを行う時期は関係者などの都合にもよりますが、挙式のおおむね半年前から、遅くとも3ヶ月前には済ませておくのが良いとされています。挙式まで3ヶ月を切るといろいろな準備で忙しくなりがちなので、なるべく早い日取りを考えるのがベターです。
該当期間内の休日の中から、大安や友引にあたる日が選ばれることが多くなっています。しかし、両家共にこうした「お日柄」を気にしない場合には考慮の必要は特になく、参加者の都合の良い日に実施します。また、急に結婚が決まった場合や、挙式の予定がなく入籍のみで済ませる場合には、双方の親の意向などを聞いた上で、顔合わせや結納の実施時期を決めると良いでしょう。
結納を執り行う場合にはまず、地域の習慣に合った「結納品」「婚約記念品」「受書」「結納金」「家族書」などを用意する必要があります。
地方により用意すべき品目が異なっているので、結婚するふたりの出身地が異なっている場合には、どちらのスタイルに合わせるのかを事前に相談しておきます。結納品は専門店で一式購入を行うか、結婚式場やホテルの結納コースで用意される物を使うのが一般的です。
「婚約記念品」や「受書」については、必要な場合のみ準備を行います。また、既に贈っている婚約指輪を目録に書き加えるのはOKです。「家族書」は、基本的に同居家族の年齢などを記して紹介するための書面ですが、一人暮らしの場合には実家の家族構成員について記載します。「結納金」については地方により平均金額も異なっていることと、それぞれの家庭の経済状況や親の考え方によって差が生じます。両家で相談の上で金額を決定するのが良いでしょう。
結納や顔合わせにおける服装は、会場の格式や実施スタイルによっても変わってきます。式場や高級な会場を利用する際には、和服やフォーマルな改まった洋装が適していますが、カジュアルな雰囲気で食事会形式の顔合わせを行うだけであれば、もう少し気軽な服装でも問題ありません。両家の服装基準を合わせるために、事前に打ち合わせを行って取り決めをしておくほうが良く、当日に両家で著しい服装の差が出ないように気をつけましょう。
結婚後もお付き合いをすることになるのが、相手の親や兄弟などの身近な親族です。
気持ち良く顔合わせを済ませることができるよう、事前の打ち合わせを綿密に行って、当日に備えるようにしてください。